眞子さまと小室さんとICUと

知人の娘さんが、国際基督教大学の附属高校に通っている。
彼女が入学したときには、赤ちゃんだったあの子がもう高校生か~としみじみ思ったものだが、驚いたのはその学費。
聞いてビックリ。東京の私立高校の学費って、こんなに高いの?!

知人いわく、留学はしなくてすむから(学校内にバイリンガルがうじゃうじゃいる)、留学費用分も含まれていると思えば、ということだったけれど、それにしたって…。
しかも高校の学費だけではなく、中学の時に通っていたという塾の費用もそれはそれは…。夏期講習やら冬期講習やら、そういう講習を受けるだけで80万円くらいかかるって言ったかなぁ。心底驚いた。

そしてその娘さんが、このたび内部進学が決まったそう。
おめでとうございます!
あぁついこの間入学したと思ったら、もう大学が決まったというのだから、時間の経つことのなんと早いことよ。

大学の学費はいくらなんだろ~と思って、嫌らしいですがネットで調べてみました。
た、高いわね、やっぱり…。

知人の家はご夫婦で働いているとはいえ、下のお子さんもいるし、たいへんだと思う。ご実家がかなり裕福なので、援助を受けてるんだろうなぁーなんて想像したり。

私が受験生だったとき、国際基督教大学の入試の英語は、辞書の持ち込みが可と聞いて、とても驚いたのを覚えている。既存の偏差値では測れない、独特の教育方針を持った、優秀な学生が多いのだという印象を持ってきた。

知人の話でも、娘さんをはじめ生徒がみんな生き生きとしていて、ほんとうに楽しい高校生活を送っているそう(学費は高いけど)。

そして眞子さまと小室さんである。
おふたりはICUで出会われたわけだけれど(皇室の人がICUに行っちゃうんだ!と、当時はびっくりした)、
小室さんのうちは母子家庭。奨学金制度なんかもあるとはいえ、母子家庭のおうちでICUに通うというのは、普通に考えたら無理だと思う。
元婚約者さんの援助は、それはそれはありがたかったことだろう。そのお金を返してほしいと言われてしまってるわけだけど、400万円をぽんと返せるような状況だったら、そもそも援助を受けていないよね。

婚約者という曖昧な立場の人から、それだけの援助を受けないと通えなかった学校に進まなくても、少しでも学費の安い国公立を目指せば良かったのに…と思うけれど、それだけ国際基督教大学って魅力的ということなのかな。

眞子さまは、とにかく小室さんと結婚したいらしい。
そのお立場から、家族のみならず顔も知らない国民の多くからバッシングを受け、それでも結婚したいらしい。

そんなに好きな人がいて、いいなぁ…。
大好きになった人がいて、その人も自分のことを好きで、両想いって奇跡だと思う。
そんな奇跡を手に入れたなんて、とても羨ましい。ほんとに奇跡だよ。

小室さん、奨学金の返済も抱えているのかな。
早く借金(奨学金)を返して、贈与か借金かわからないけど、とにかくその400万円も返してすっきりできるといいのにね。

『いつか陽のあたる場所で』乃南アサ

小説新潮の今月号で、乃南アサさんの新シリーズを読んだ。
乃南さんの小説を読むのは初めてだったけれど、おもしろかったので彼女の単行本を図書館で探して、読んだのがこれ。

短編集になっているのでとても読みやすい。
最近Eテレの「ねほりんぱほりん」という番組で(大好き)、ホストクラブに通う女性たちを見たこともあって、
この本に出てくる芭子ちゃんのことが、なんだか身近に感じられた。

刑期を終えたということは、罪を償ったというとこのはずだけれど、
だからといって犯した罪がなかったことにはならないのだろう。
日本という国ならなおさら。

最後のお話で、綾香さんがパン屋の年下の先輩青年に怒鳴られているのを芭子がこっそり聞いてしまう場面では、涙が出て仕方なかった。

でもこれ、NHKでドラマ化されていたのね。
ちょうど私がテレビを持っていなかった頃だなぁ。
いくらドラマとはいえ、上戸彩飯島直子のふたりはちょっと…。
ふたりとも美人過ぎるでしょう!

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映画「罪の声」

今日観てきました。

映画館は入場を待つ人でいっぱい。一人ひとり検温をしているので、そのための行列がずらり。
どうやらその多くが「鬼滅の刃」を観に来た人たちらしいです。

さて、「罪の声」。
私はこの原作を読んでいて、その原作に、なんというか感動してしまいました。
すごく良かった。
グリコ森永事件を題材にした小説はほかにもあるけれど、子どもの声を中心に据えた話はなかったと思います。
というか、私も当時の事件のことはもちろん知っているけれど、子どもの声のことは、この小説を読むまで知らなかったです。

原作がとても良かったので、映画はちょっと心配していました。
だって、映画化、ドラマ化、アニメ化…いろいろあるけれど、原作のファンには落胆することのほうが多いから。

でも。
この映画は良かったです。
よくあの原作を映画化できたなぁと思いました。
今まで、映画を観て脚本家を気にしたことはなかったのですが、あの原作をちゃんと映画にするなんて、脚本家ってすごいなぁと思いました。

新聞記者の小栗旬
テイラーの星野源
どちらも良かった。

聡一郎さんを見たときには、子ども時代や青年時代の姿からはうって変わった、そのすべてを諦めたような風貌に、彼の壮絶な人生が思い起こされました。
これは、映像だからできたことだと思う。
とにかく聡一郎がかわいそうすぎる。彼の人生を返してやってくれと思う。
だから、彼が曽根俊也に誂えてもらったスーツを着て、記者会見で母親との再会を訴えて、それが叶ったときには涙が出ました。
そして母親が、死んだ娘の「罪の声」を聞いて喜ぶ姿にも。

ただ、いくら時効を迎えた事件だと言っても、あんなにぺらぺら喋ってくれるものでしょうか?特にしのの板長さん…口が軽すぎます(笑)。
あと、車にぶつかって死んでしまった聡一郎さんの姉の望さん。さすがに事故で死んだら、ニュースになって名前が出ると思うのだけれど…。

いろいろ思い返してみると、なんかちょっと…と思うところはあるものの、泣ける場面なのであろうところで素直に泣いてきました。

実際のこの事件の犯人たちは、今どうしているのでしょう。
「罪の声」の子どもたちは、今どうしているのでしょう。

高等学校定時制通信制生徒生活体験発表大会

こういう大会があることを初めて知りました。
あまり知られていないように思うのだけれど、毎年各都道府県で行われていて、優勝者は東京の全国大会に出場するらしい。残念ながら、今年はコロナのせいで全国大会は書類審査になるそうですが。

これはしかし、生で聴くのがやっぱりいい。
私はとても感動しました。

いちばん良かった私の中の優勝者は、フィリピン出身の定時制女子生徒。
言葉のわからない国に来て、いろんな困難のあるなかで、家族ともぶつかったり。
優勝できると確信していた英語のスピーチコンテストでは、まさかの失敗をして日本人に負けてしまったこと。
そして今は理学療法士になるという夢に向かって頑張っていることを、
流暢な日本語で生き生きと話していて、ここまで日本語をマスターするのにはどれほど努力したのだろうと、とても感しました。
彼女自身は、スピーチコンテストで自分に勝った日本人生徒はものすごく努力していたはず、ということも言っていて、生ぬるく生きている自分には、ただただすごいなぁ~という思いで、
彼女の前向きな姿に、思わず涙してしまったのでした。

ほかにも、16歳で長女を出産し、シングルマザーとしてふたりの子どもを育て上げ、介護の会社を起業して働きながら、高校卒業資格を取るために長男と同じ通信制高校に通う40代の女性。
このかたの発表にも感動しました。
私のなかでは準優勝。

いじめる側もいじめられる側も経験し、全日制高校を辞めて、
今は定時制高校に通いながらプロボクサーを目指している外国籍生徒の発表は、
彼自身が感極まったのか、途中で涙声になり、聞いているこちらも泣いてしまいました。

今回の発表者は21人だったのですが、
その多くが不登校経験者でした。
定時制通信制の高校が、彼らの受け皿になっているということなのでしょう。
今日の発表者は、その不登校経験も踏まえた上で、今をしっかり生きていました。

本当に、定時制全日制問わず、たくさんの高校生に、この大会を聴きに来てほしいです。

ETV特集「外国人技能実習制度を追う」

私の住む町にも、技能実習生の外国人が何人も暮らしている。この町には、インドネシアからの実習生が多いと思う。

何かと問題が指摘されているこの制度。
低賃金で外国人を酷使、使い捨てにしているとの批判も耳にしてきた。
けれど、それを知った上で見ても衝撃を受けた。

これは貧困ビジネスだと、この制度に関わり、自らもそこから利益を得ている日本人が匿名で話していた。貧乏人からお金を巻き上げていると。

この制度が国際貢献などというものではないことは誰でも知っている。
そんなものは建前で、実習生自身もお金を稼ぎたいという一心で、年収の3倍以上の借金をして日本に来るのだ。

巨大なビジネスになってい、これで儲けている人がたくさんいるから、この制度はなくならない。

多くの違反事例が出ている繊維業界。
私自身、日本製にこだわって製品を選ぶことが多いけれど、日本製の商品を作っているのは日本人ではないのだと思い知らされた。

監理団体にしてみれば、現実に日本に来たがる実習生がたくさんいて、
裏金を用意してまで受け入れを求めてくる送り出し機関があって、しかも実習生がいなくては成り立たない日本企業がある以上、それでいいじゃないかということなのだろう。

むなしくも悲しくもなりながら、これは人身売買以外の何ものでもないと思った。涙が出た。

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『すき・やき』楊逸

中国出身の楊逸さん。
日本語を母語としない人が初めて芥川賞を獲ったと話題になったのは、もう何年前だか。

図書館でたまたま見掛けて、初めて彼女の作品を読んでみました。

この文章を、本当に日本語を母語としない人が書いたのか。
どうやったら、ここまでに外国語を修得できるのか。

英語を勉強していても、
多少の文章は読んで理解できるようになったとしても、
英語を母語とする人が違和感を持たない文章を書けるようになる自分はまったく想像できない。

おそらく、もともと頭の良い人がものすごく努力をされたのだと思う。

お話そのものは、特別ドラマチックなわけでもなく、大きな感動があるわけではないけれど、
ココちゃんがかわいらしくて、出てくる人たちもなんだかやわらかい感じで、読みやすかった。

ただ、ココちゃんはお姉さん一家のおうちに居候していて、それってもしかしたら中国の人には特別のことではないのかもしれないけど、
日本人のお義兄さんにはちょっときつかったんじゃないかなぁと想像。

ココちゃん、お姉さん家族とディズニーランドに行ったのかな?
店長なんて、待ちぼうけ食らわせちゃえ!

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映画『一人息子』

予約していた、県文化センター主催の無料映画会に行ってきました。
小津安二郎監督の『一人息子』。

会場はコロナ対策のために座席がかなり制限されていて、一見するとガラガラなのだけれどそれが満席。
観客の平均年齢は70歳といったところでしょう。

古い映画なので、音声がかなり聞き取りにくく、字幕がほしいと思うほど。

信州の、貧しい女工が苦労して一人息子を東京の学校にやり、就職をさせ、
晴れがましい気持ちでその息子に会いに上京してみれば、
出世していると思っていた息子はしがない夜学の教師で、しかも知らぬ間に結婚して子どもまでつくっていたというのだから、
その母親でなくとも「なんですと~?」と言いたくなりますよ。

家も桑畑も売って、ひたすら息子のために働いてきたのに、その息子はその日の暮らしがやっとという生活。
「信州で暮らしていたほうが良かった」なんて言われた日には…。

小津安二郎らしい映画で、私は何度も涙しました。
日本がうんと貧しかった時代の話だけれど、それにしても親が子どもを思う気持ちって、いつの時代も変わらないのだろう。

怪我をした向かいの家の子どものために病院に付き添い、お嫁さんが着物を売って用立てたお金を使ってくれとお向かいさんに渡した息子に、
「今日一日、私は本当に鼻が高かった」「大臣になんてならなくて良かった」という母親。

私は何度も涙しました。
この映画は原作も小津安二郎らしい。本当に、小津さんらしい映画でした。