高等学校定時制通信制生徒生活体験発表大会

こういう大会があることを初めて知りました。
あまり知られていないように思うのだけれど、毎年各都道府県で行われていて、優勝者は東京の全国大会に出場するらしい。残念ながら、今年はコロナのせいで全国大会は書類審査になるそうですが。

これはしかし、生で聴くのがやっぱりいい。
私はとても感動しました。

いちばん良かった私の中の優勝者は、フィリピン出身の定時制女子生徒。
言葉のわからない国に来て、いろんな困難のあるなかで、家族ともぶつかったり。
優勝できると確信していた英語のスピーチコンテストでは、まさかの失敗をして日本人に負けてしまったこと。
そして今は理学療法士になるという夢に向かって頑張っていることを、
流暢な日本語で生き生きと話していて、ここまで日本語をマスターするのにはどれほど努力したのだろうと、とても感しました。
彼女自身は、スピーチコンテストで自分に勝った日本人生徒はものすごく努力していたはず、ということも言っていて、生ぬるく生きている自分には、ただただすごいなぁ~という思いで、
彼女の前向きな姿に、思わず涙してしまったのでした。

ほかにも、16歳で長女を出産し、シングルマザーとしてふたりの子どもを育て上げ、介護の会社を起業して働きながら、高校卒業資格を取るために長男と同じ通信制高校に通う40代の女性。
このかたの発表にも感動しました。
私のなかでは準優勝。

いじめる側もいじめられる側も経験し、全日制高校を辞めて、
今は定時制高校に通いながらプロボクサーを目指している外国籍生徒の発表は、
彼自身が感極まったのか、途中で涙声になり、聞いているこちらも泣いてしまいました。

今回の発表者は21人だったのですが、
その多くが不登校経験者でした。
定時制通信制の高校が、彼らの受け皿になっているということなのでしょう。
今日の発表者は、その不登校経験も踏まえた上で、今をしっかり生きていました。

本当に、定時制全日制問わず、たくさんの高校生に、この大会を聴きに来てほしいです。