2022-01-01から1年間の記事一覧

「同士少女よ敵を撃て」逢坂冬馬

悲しい小説でした。 ドイツ語を学び、村を出て進学することも決まっていた主人公セラフィマ。 夢と希望と責任感に溢れていた彼女の目の前で、村中の人が惨殺されて。 狙撃兵になるべく教育されているときも、狙撃兵になってからも、たくさんの人が殺されて、…

橋田壽賀子『おしん』上・下

ふと目について図書館で借りました。 上下巻一気読みです。 泣きすぎてしんどかった…。少女編はテレビで見たことがあったけれど、ここまで壮大な一代記だったとは。明治の貧乏小作に生まれついた女性なんて、本当に馬車馬のように働かされてきたのだろう。私…

『小説8050』林真理子

まさしく一気読み。本当に一気に読んでしまいました。 おもしろい。 さすがの林真理子さん。 私立中学をやめて7年間引きこもりの青年。歯科医の父親。専業主婦の母親も、早稲田を出た姉も、その一家の描写が巧みで、引き込まれます。そんなにうまくいくわけ…

今村翔吾「塞王の楯」

近くの城址公園に立派な石垣があります。 城というと天守閣というイメージだったけれど、この本を読んで石垣を見る目が変わりました。読み始めるまでは本の分厚さにひるんだけれど、とても読みやすくてとてもおもしろかった。京極高次がいい。 実際の彼がど…

『一橋桐子(76)の犯罪日記』原田ひ香

いや~ 思いがけなくおもしろかったです。 もっと暗くて深刻な話を想像していたのに、なんて楽しいこと! ちょっとできすぎだなぁとは思いますが、桐子さんがとてもいい人なので、周りにもいい人が集まってくるのだなぁと納得できます。桐子さんはハッピーエ…