林真理子「李王家の縁談」

おそらくたくさんの資料にあたられて、よく勉強されて、その上で林さんの想像力と筆力でもって書かれた小説なのだから、それはおもしろくて当然!

李方子さんの写真は日本史の教科書で見たことがあったけれど、その写真がほんとうにお雛様みたいで、きっと当時、絶世の美女と言われた人なのだろうなぁと思っていました。

皇族や華族の方々の生活が、まったくの別世界だった戦前。本当に別世界なのだけれど、そこに昭和天皇や良子様や美智子様が出てきて、実はつい最近のことなのだとも思い知らされる。

皇太子が民間から配偶者を得ることに皇室になったニュースに、「日本はもう駄目だ」と書く伊都子。

今の皇室を思いながら、複雑な気持ちにもなったのでした。