『インパラの朝』

中村安希さんの『インパラの朝』という本を読みました。
第七回開高健ノンフィクション賞受賞、という本だそう。
 
バックパッカーと呼ばれる人たちを、私は少し羨望の眼差しで見てしまうのだけれど
中村さんはかなり強烈です。
私にはこんなエネルギーも度胸も体力も順応性も語学力もない。
だから単純に「すごいなー」と思います。
 
私の職場に、75才の男性がいます。
とてもおだやかな男性です。
そのかたは実のお母様の介護をなさっています。
お嫁さんはお母さん(お姑さんですね)と折り合いが悪く、
介護は専らそのかたの役目だそうです。
 
朝晩の食事を食べさせ、おむつを替えて、ということをそのかたは毎日なさっています。
私は、自分だったら毎日親のおむつを替えられるか、自信がありません。
 
中村さんはあちこちで講演し、
本やブログで意見を発信し、熱烈な読者もたくさんいることでしょう。
私と同じように、すごいなーと羨望の眼差しを向けられることも多いでしょう。
 
でもこの男性のしていることは、
(同じようなかたはおそらく日本中にたくさんいらっしゃると思いますが)
中村さんのなさった強烈な旅以上にすごいことだなあと思います。
 
世の中にすごい人はたくさんいるのですね。身近にも。