『校長、お電話です!』佐川光晴

学校のことをよく調べて書いているお話だなぁと思いました。
そういう意味で、現実離れしているわけではないはずなのですが、なんと言うか…正義は最初から最後まで正義で、悪者はずっと悪者、という感じがどうもしっくり来ないというか…。
主人公の校長先生が一生懸命なのはわかるし、
前任者は確かに問題があったのでしょう。
けれど、ヤンチャな元3年1組の生徒が、担任の先生のことが大好きで、こんなに心温かく、かつ友だちを大切にする優しい生徒だったのなら、
こんなにも学校が荒れることはなかったと思う。
みんな良い子たち、でも勉強はちょっと苦手、前任の校長先生は表面上のことばかりにこだわって、生徒の良さを見ようとはしなかった…って、
たぶんそういうことなんだと思うけど、なんだか陳腐過ぎる。
勧善懲悪型の大団円なので、スッキリする人にはスッキリするお話なのかも。
私にはいまひとつ心に響きませんでした。f:id:tetsunekom:20190903152905j:plain