甲子園。アルプス席から

甲子園にて高校野球を観戦してきました。
 
甲子園に行ったのって、はるか昔、池田高校とPL学園の試合を観て以来だなあ。
そのときは単なる観客として観ていただけだったけれど、
今回は勤務する高校が出場することになったものだから
応援団のひとりとしてアルプス席からの観戦。
 
で。
 
甲子園は異常でした。
 
なんでしょう、あれ。
 
甲子園の係の人たちは、とにかく私たちをスムーズに動かすことに懸命。
「前に進んでください」、「つめてください」、「またいでください」
と次々指示が飛ぶ。
とにかく入れ替えをさっさと進めたいのだ。
試合もまだ途中だというのに、「出口はあちらからです」を連呼。
終わったとたん追い出しにかけられ、余韻に浸る間もなし。
 
甲子園という特殊な空間では、アルプス席の人間もエキストラとしての出演者なのでしょう。
 
私はこれまで、全国から優秀な生徒を集める私立野球校にはちょびっと反感があって
ついつい公立高校を応援したりしていたけれど、
普通の公立校がポンと甲子園に出たりしちゃったらたいへんですよ、ほんと。
 
甲子園とは言っても、高校における部活動の全国大会ですよ―。
マスコミのやり方によるものとはいえ、野球部だけ特別扱いが過ぎるよ。
 
何十台ものバスを手配して
勝ち進めばかかるお金もすごいことになっていくし。
大きな声では言えないけれど、教職員の中には
「勝ったらどうしよう」、「なんとしても負けてもらわないと」
なんて声もあったほど(野球部員のみなさん、ごめん)。
 
まあそれでも、とてもいい経験と思い出になったことは間違いなし。
特に生徒にとってはね。
私も、もし自分が高校生のときに自分の高校が甲子園に出場したら、そりゃ嬉しかったろうなあと思う。
 
でもできれば、
「強制的な生徒の応援動員はしない」
「揃いのメガホンも揃いのTシャツも揃いの帽子もつくらない」
「バスも弁当も手配しない」
「各自がそれぞれに自由意志で参加して、自由意志で応援する」
という学校が出てこないかなあと思うのでした。