今でも「プライベートライアン」。

戦争ものは嫌いです。だいたい想像つくし、苦しくなったり、辛くなったりするし。
それなのに若かりし頃の私がこの作品を映画館で観たのは、たまたまチケットをもらって、無駄にするのがもったいなかったから。

有名な、最初のおよそ30分間。
映画館にいるはずの自分が戦場に放り出されたようでした。
本当に怖くて恐ろしくて、早く終わってくれと願いました。
これまでに観た映画のなかでもっとも衝撃を受けた作品です。

私は今高校で働いてます。
高校で、特にその年度の最後の授業でこの映画を見せることがあります。

今勤務している学校では、なかなか長時間集中していられない生徒が多いです。
授業はもちろん、演劇や映画もそうで、居眠りしたりおしゃべりしたりする生徒があとをたちません。

今日その学校で、プライベートライアンを見せました。

字幕より吹き替えのほうがよいだろうと思ったけれど、私自身は字幕派であることと、字幕がいいと言った生徒も半分くらいいたこと、冒頭の先頭シーンは台詞がわかってもわからなくてもいいだろうという判断から、字幕にしました。

冒頭シーン、いつもは突っ伏して寝てしまうような生徒も含めて、みんなが画面に集中していることが、後ろに立っている私にもわかりました。
途中苦しくなったのか耳を押さえて目を閉じる生徒もいたけれど、寝ている生徒はいませんでした。

そんな映画は、私の経験ではこれだけです。
冒頭の30分が終わってしまうと、途端に集中力を保てなくなる生徒はいましたが、そもそも授業でエンディングまで見せることができないので、
この30分でよいのです。

私が映画館で衝撃を受けたときから、まさか今に至るまでこの映画を見続けることになるなんて、思いもしませんでした。

戦争で死ぬのは嫌です。