「同士少女よ敵を撃て」逢坂冬馬

悲しい小説でした。

ドイツ語を学び、村を出て進学することも決まっていた主人公セラフィマ。

夢と希望と責任感に溢れていた彼女の目の前で、村中の人が惨殺されて。

狙撃兵になるべく教育されているときも、狙撃兵になってからも、たくさんの人が殺されて、たくさんの人を殺して…。独ソ戦の凄絶さを思いながら、その戦争の中でどれほどの人が命を落としていったかと思うと、もう言い尽くされているけど、戦争は嫌だよ。

ラスト近く。奇跡的に幼なじみと再会できたセラフィマ。良かったね!良かったねって思っていたのに。やっとセラフィマに救いが訪れたと思っていたのに。

おそらく相思相愛だったふたり。なのに…。

なぜ殺したの~(涙)

彼が心の優しい青年だということはセラフィマはよく知っていたはず。

わかるけど、わかるけど、でもでも…。

最後まで辛かったです。

今も続いているロシアとウクライナの戦争も、どうぞ早く和平が成立しますように。