ニッポンのジレンマ

今年も観ました。
昨年はたまたまチャンネルを回してたらやってた、という感じで観たのだけれど
すっごくおもしろかった。
 
今年もやるんだ~、と新聞のテレビ欄を見て思って
今年はちゃんとはじめから観ました。
 
今年のテーマは「格差を越えて 僕らの新たな働き方」だって。
…このテーマでどうやって話し合うの?
そもそも格差って越えられるの?
ここに登場している人たちは格差社会における底辺ではない人たちだよね…
 
とか思ったけど、去年ほどではないにしろ、おもしろかったデス。
 
私はね、安藤至大さんの言っていることがいちばんよくわかった。
オーディエンスの投票では、宇野さんと猪子さんに共感する人が多かったけれど
それはオーディエンスがほぼ20代で占められていたからかなあ。
私もその年だったら、このふたりの言っていることをいちばんかっこいい(正論)と思って
いちばん共感したかもしれない。
 
猪子さんのおっしゃっているように、法律なんて全部なくしちゃって
あらゆる規制をとっぱらって、とにかく自由に仕事をさせるということは、
その才覚のある人には確かに素晴らしいのかもしれない。
 
たとえ勤め先が倒産したとしても、
スキルさえあれば再就職先はすぐ見つかるし、どこでもやっていける、
セーフティネットの充実よりも法律を撤廃することのほうがいい―
 
猪子さんのその主張は、かっこいいのだけれど、でもやっぱり
東大に入ることができる人で
自分で会社を興せる人で
それは特別な人で、そういう人だから言えることで…と思ってしまいました。
そうではない大多数にとっては、それは苦しい。
再就職先をすぐに見つけることのできない「スキル」のない人を
「スキルがないから仕方ない」
で終わってしまうのではなく、
「スキルをつけなかった自分が悪い」
としてしまうのでもなく、
「スキルをつけさせるようサポートするための仕組み」はあっていいと思う。
 
こういう討論番組って、でも観ているこっちもなんだか偉くなったような気がするなあ。
私なんてここに登場している方々に比べたら
あまりにだらだらのぼんやりのぽよよ~んな人間だけれど
これを観ている自分をちょっとかっこいいと思ってしまったよ。
大いなる誤解ですが。