『レディ・ジョーカー』髙村薫

上下巻、読みきるのに1か月以上掛かってしまった。
ちょっと読んでは休み、ちょっと読んでは休み、
なのに、終盤はものすごいペースで読みきった。

今さらながら、「これ読んでなかったなぁ~」と思って読み始めたのだけれど、こんな小説とは。髙村薫って、ほんとにすごいなぁと思う。

ただ私は、小心で善良な(たぶん)市民なので、
このどろどろした灰色の世界がとても辛かった。
自分の人生って何だったんだろうと、私も思う。
野崎女史の、「影ながらお慕い申し上げておりました」という書き置きには涙が出たし、
城山恭介が死亡したというくだりには本当にショックを受けた。
レディと物井さんとヨウちゃんが、どうぞこのまま平穏な日々を送ってくれるようにと、ただそう願って、読み終わってもやっぱり涙が流れたことでした。

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