沖縄県民投票に

沖縄の県民投票がおわって、昔のことを思い出した。

95年か、96年くらいのことで。
当時私は東京で暮らしていて、原子力発電の勉強会みたいなものを傍聴していた。
原発反対派の主催するものだったと思う。

最後に質疑応答の時間があって、つい手を挙げてしまった。

私は三重県の出身です
ご存じのとおり、三重県には芦浜原発の建設問題があります
賛成の人も反対の人もいて、それぞれに言い分はあるでしょうが
地元はずっと賛成派と反対派が対立していて
目の前で子どもが転んでも、その子が賛成派の子か反対派の子か確認してからでないと助けない
という話があるくらいです
少なくとも、原発の話がなければそんな対立はなかったと思います
私は建設に反対です
三重県では芦浜原発の建設の可否を問う県民投票をしました
反対派が圧倒的でした
でもなにも変わらない
いったいどうしたら、中部電力は建設をあきらめてくれるんでしょうか

なんだか涙声になってしまったのを覚えている。

講演者がなんと答えたのか全部は覚えていないのだけど
建設を中止させる方法はわからないですが、というようなことを言ったあとで
「ただ、反対している限りは原発はできないと思います」
とおっしゃったのを覚えている。

沖縄の県民投票に、いったいなんの意味があるのだろうと思う人はとても多いと思う。
私も思う。
原発は、地元が反対している限りは建たないと言われた。
そして芦浜は、そののち建設計画が白紙撤回されたのだ。

でも沖縄は違う。
どんな「民意」が示されても、「民意」とは別のところで沖縄は動かされていくのだろう。