淡々とした、寂しい映画でした。
第二次大戦後のエルサレムが舞台です。
戦時中のユダヤ人のお話はよく小説や映画になっていると思うのたけれど、イスラエル建国のときのお話は初めてです。
シオニズム運動とか、パレスチナ問題とか、とりあえずの予備知識は持っていたのでわかったけれど、それがなければ「なんのこっちゃ」という映画だったと思います。
とにかく暗いイメージがずーっと流れている映画でした。
自分の本が5冊全部売れたと喜ぶ父親と、その5冊を、父の友人の売れっ子作家の家で主人公が見つけてしまうところが、私にはとても寂しかったです。
監督・脚本・主演のナタリーポートマンはイスラエル出身なのですね。知らなかったです。
母を自死で失い、父と2人になったアモス。
キブツで暮らす青年になった彼を父が訪ねるところで終わるのだけれど、最後まで悲しい雰囲気が漂う映画でした。
でも私はずっと、イスラエルではなくパレスチナ支持側なのです。特に最近のイスラエルはひどいように感じています。
ユダヤ人の苦悩は理解しつつも、この映画に入り込めなかったのは、そのせいかもしれません。