『かがみの孤城』辻村深月

定時制高校に通う16歳の男の子から、とても感動したと聞いて、読んでみることにしました。
そのきっかけがなければ、絶対に読まなかったと思います。表紙がまったく好みではなかったからです。

たぶんにファンタジーも混じっていて、突っ込みどころもたくさんあるのですが、それでも良い作品だと思いました。

私は中学1年のとき、本当に学校が嫌でした。
小学校で仲の良かった子と全員クラスが離れてしまって、休み時間や教室移動の時にいっしょにいる子がいなくなって、
クラスに意地悪な子もいて、とにかく学校が嫌でした。
当時は不登校という言葉はなく、それは登校拒否と言われていたけれど、登校拒否をする度胸もなかったです。
学校に行かないともっとめんどくさいことになると思ったし。
だから堂々と学校に行かなくてすむ夏休みは本当に嬉しかったなぁ。

このお話の主人公(こころちゃん)をいじめる真田美織という女の子。
こういう子、実際にいると思う。
作者の辻村さんは、中学生の女の子の気持ちがよくわかるなぁと思いました。

わりと早い段階で、登場人物たちの生きている時代が違うことに気がつきますが、逆に何十年経っても、意地悪な子とか、学校に行けない子はいるんだなぁと思う。

私は今でも中1のあのときが大嫌いで、あのときの担任の先生も、意地悪なクラスメイトも大嫌いだけど、
辛かった経験も社会勉強のひとつだと今は思えるようになったよ。

今学校で辛い思いをしている子には、その先にはもっと広い世界があって、いろんな人との出会いがあるからって伝えたいです。

感動はしなかったけど、何度も涙を流してしまいました。

アニメ映画化されたらいいかも、と思います。

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