「9月入学を考える」

今日の中日新聞夕刊。
松田悠介氏の「9月入学を考える」を読んだ。

彼の言う、
「そもそも海外に留学する阻害要因は入学月ではな」いというのは、その通りだと思う。
彼はその要因を、「『経済的に厳しい』ことや『語学に心配がある』ことである」
とする。
なるほど、そうなのだろう。
そもそもが、現状を変えることを望まず、今の状況に安穏と暮らすことを望む層も多いと思う。つまりは、留学そのものに興味を持たない若者が多数派なのだろう。

「また、欧米基準の九月にあわせることで、海外から留学生が増えるかというとそうでもない」

これには激しく同意する。
それはそうだろう。
志ある若者が留学先を決めるとき、入学月が決め手になるとは思えない。

「入学月を検討する前に、教育の質を高めることに焦点をあわせるべきである」
もっともである。

コロナ休校のどさくさの際に、9月入学を実現させようということ事態に無理がある。

オンライン授業が俄然注目を集めたが、松田氏は
「各家庭に通信環境やタブレット等を整備するGIGAスクール構想は着実に進んでいるが、学習するコンテンツの質がかなり低いと感じる」という。

教育の質を高めること。
取り組むべき課題は、まずはそこからだ。

9月入学論争はこれからも続くと思うけれど、良い教育を受けたいという、誰もが当たり前に望むであろうことに、真剣に取り組みたいと思う。

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