映画「日本のいちばん長い日」

午前十時の映画祭で観ました。
観客は10人くらいだったかな。

この映画は、どこまでが史実でどこまでがフィクションなのでしょう。

あくまで映画だとは思います。
でもこの映画は、戦争を体験した人たちがつくり、戦争を体験した人たちが観た映画です。昭和40年は、そういう時代だったと思う。

教育は恐ろしい。
登場人物、誰も悪人はいないのです。みんな、自分の信念を持っていて、正しいと思っているから。
でも、戦争で死んでいった者のためにも、最後の一人まで戦うって…なんで…?
陸軍大臣切腹
これがほんの70数年前の日本ですか?

今の日本を知っているから、なんだか余計に涙が出ました。

ただ、彼らが遅々として会議を進めずにいる間にも、次々と死んでいく日本人がいたであろうことに、苛立ちも虚しさも感じました。
切腹なんてしてる場合じゃないよ…。
所詮ここにいる人たちは全員が超エリートで、前線にいる兵士とは違う種類の人間なんだとも。

昭和天皇もこの映画を観たのだそうです。これを観てどんなふうに思ったのでしょう。

私にとっての昭和天皇は、もう「優しいお爺ちゃん」で、あの場にいた人には思えないです…。

あと、黒沢年男に銃を突き付けられる放送局のアナウンサーがやたら男前で、きれいな顔だなぁ~と思っていたら、
それが加山雄三だと知ってびっくりしました。

とても長い映画で、たぶんこの機会がなければ観ることはなかっただろうから、午前十時の映画祭に感謝します。

もう二度と、こんな時代がきませんように。