映画「太陽は動かない」

ドラマも原作も知らないです。
何の前知識もなく観に行きました。

平日の朝、観客は私を入れて6人でした。

で、この映画。
あり得ない話ですよね?
いくらなんでもあり得ないですよね?
24時間以内に連絡入れないと爆殺って…。

最初に出てきた山下さん。
確かに、たとえアクセスできたとしても追っ手に殺されてたかもしれないですよ?
でもさー。
優秀で貴重な配下のスパイを、アクセスないからって無条件に爆殺しちゃうのはないでしょう…。
単純にもったいないよ。
そもそも、スマホ使ってパスワード入力すればOKという連絡に何の意味が?
そんなのいくらでも裏切れるし、本人でなくても操作できるじゃん。
まぁこの爆破装置がこのお話のポイントなんだろうけど、もうほんとにあり得ないってー。
最終的には本人の意思で埋めこみを了承するって、そんなの了承するのおかしいよ。
あんな難しい任務を与えといて、24時間ごとの定期連絡なんて、できないこともあるでしょうし。あの設定がなければもっと入り込めたかもしれないのに…。
あり得ないでしょ~って何度も思ったけど、藤原竜也さんはかっこよかったです。
筋肉もりもりのがっしりした人がやるより、彼のようなちょっと小柄で童顔の人がやるほうがいいです。

でもあの生い立ち…。
なんか辛くなってしまった。

AYAKOさんは峰不二子さん設定だと思うので、ほかの登場人物も、もっとすっぱり明るくはちゃめちゃな設定だったらスカッと見られたんだけどなぁ。

とにかくあの境遇が切なくて、どよーんという気持ちになってしまいました。
自宅テレビでの鑑賞だったら、途中で観るのをやめていたと思う。

でも観終わってから、何度もこの映画のことを思い出してしまったのは、あり得ない設定の中であり得ないほど必死に生きてる鷹野の姿が、心を離れなかったから?

途中で観るのをやめたいと思った映画なのに、何度も思い出してしまう不思議な映画です。

あと。韓国の役者さんはすごいなぁーと思いました。AYAKO役の女性、とってもきれい。スタイルもばっちりで、日本人にあの
役をさせるなら誰かなーと考えたけど、ちょっと思いつかない。
でもわざわざ日本語を使ってくれなくてもよいのでは?AYAKOさんなんて、「つまんない男」ってひとり言まで日本語って…。
デイビッド・キムが、なぜ自分たちまで助けたのか問う鷹野に言った最後のセリフも、何て言ってるのかとっさにはわからなくて、え?なんて?って考えちゃったよ。
「ほんとうはあのとき、あの子のケツを見た」だ!と理解するまでちょっと時間を要してしまった。
日本語じゃなくて、英語でも韓国語でもいいから、字幕つけてくれたら良かったのに…。

鷹野さんが、しおりちゃんと結ばれて、穏やかで幸せな生活を送ってくれたらなぁと今でも願ってしまっています。

映画「愛と闇の物語」

淡々とした、寂しい映画でした。

第二次大戦後のエルサレムが舞台です。
戦時中のユダヤ人のお話はよく小説や映画になっていると思うのたけれど、イスラエル建国のときのお話は初めてです。

シオニズム運動とか、パレスチナ問題とか、とりあえずの予備知識は持っていたのでわかったけれど、それがなければ「なんのこっちゃ」という映画だったと思います。
とにかく暗いイメージがずーっと流れている映画でした。
自分の本が5冊全部売れたと喜ぶ父親と、その5冊を、父の友人の売れっ子作家の家で主人公が見つけてしまうところが、私にはとても寂しかったです。

監督・脚本・主演のナタリーポートマンはイスラエル出身なのですね。知らなかったです。

母を自死で失い、父と2人になったアモス
キブツで暮らす青年になった彼を父が訪ねるところで終わるのだけれど、最後まで悲しい雰囲気が漂う映画でした。

でも私はずっと、イスラエルではなくパレスチナ支持側なのです。特に最近のイスラエルはひどいように感じています。
ユダヤ人の苦悩は理解しつつも、この映画に入り込めなかったのは、そのせいかもしれません。

映画「モンテッソーリ子どもの家」

天皇誕生日
観客は私を含めて12人。

素敵なドキュメンタリー映画だと思います。
およそ100年前にローマの貧しい地区で開校したのが始まりだそうですが、
この映画の舞台は北フランス。

出てくる子どもたち、全員、ほんとにみんな、ぜーんいん美形。実はみんなキッズモデルなのでは…?フランスすごい…。
着てる服もおしゃれ~。ほんとにキッズモデルなのでは…。

子どもの自主性を大事にして、教師のいちばんの役割は見守り。
教師の声が意識的にとても小さいことにはびっくりした。
これまで教師は声が大きいことが特徴とまで思っていたから。

ここにある「道具」は本物ばかり。
子どものおもちゃといえば、プラスチックのおままごとセットみたいなのをイメージするけど、そういうのはないの。
本物のアイロン、本物のナイフ。子どもはそれを使ってオレンジをカットしたり、アイロンをかけたり、それぞれに興味のある「お仕事」をする。
テーブルには花瓶が置かれて、花をいける子どももいる。
割れるよ~ とつい心配になるほど、花瓶も水差しもコップもお皿も、ガラスや陶器のものばかり。
とにかくこの空間自体がコンランショップショールームみたい…。

そのショールームで、まつ毛の長~い、ふわんふわんの髪をした、美形揃いの子どもたちが、それぞれに静かに学びを楽しんでいる…。

素晴らしいのよ、ほんとに素晴らしいのよ~

けどここにいる子は、誰も鼻水を垂らしてないの。キャラクターがプリントされた、たらんたらんの服を着てる子もいないの。

素晴らしいのよ、ほんとに素晴らしいのよ…。

ネットで検索してみたら、このモンテッソーリの教育施設は日本にもあって、附属の子どもの家で、入園の募集受付をしてた。
入会料20万円+税
教育料4万8千円+税(月額)

そうよね、そうよね…そういうことよね…。

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『無理』奥田英朗

とても読みやすい群像劇です。
あぁこういうの、あるだろうなぁと一気に読めてしまいます。

さすが奥田さんと思うのですが、
救いのない話ばかりで、ほんとに「無理」!って感じです。
どこかの町に、実際にいそうな人たちのお話ばかりなのに、まさか死人まで出るとは…。

私は監禁される女子高生の話がいちばん良かった。彼女の未来が明るいものであることを願います。

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『ベルリンは晴れているか』深緑野分

おもしろかった。期待どおり。

タイトルがいい。
戦争ものというと、ほとんど日本が舞台のものを読んでいたので、ドイツというだけで新鮮だった。
そうよね。
第2次世界大戦って、日本とアメリカの戦争ではなくて、まずはヨーロッパだよね。

でもこれ、ミステリーなのですか?
というか、ミステリーにする必要があったのでしょうか。
最後、ジギの手紙で一気にいろんなタネ明かしがされるけれど、この終わりかたはどうかなぁと思ったよ。

でもホルンが生きていて良かった。
私はハッピーエンドのお話が好きなので、最後に希望があって嬉しかったです。
アウグステ、良かったね。

この作品は、第160回直木賞の候補になった作品だそうで、
その回の受賞作は真藤順丈さんの『宝島』という作品らしい。
読んだことはないのだけれど、かなり圧倒的支持での受賞だったらしく。
この『ベルリンは晴れているか』よりも高い評価の作品というのどから、読んでみようと思います(今さらですが)。

でも私の大好きな林真理子さんと浅田次郎さんはこの作品を推したらしいので、なんだか嬉しいことでした。

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Eテレ 植物に学ぶ生存戦略

ちょっと~なにこれ!!

「知ってるワイフ」とイッセー尾形の一人芝居と、ときどき報道ステーションをちらっとはさんだり、
テキトーにテレビを観ていたのですが。

ほんとにたまたまEテレにチャンネルを合わせて、
ん?なにこれ?

山田孝之がまじめな顔でネナシカズラという植物の生態の話をしている。
ネナシカズラという、知らなかったけどへぇ~と思わずにいられない不思議な植物の話を、ヒモに例えてまじめに話す山田孝之
おかしすぎる~!!!

こんな番組があったのか。
初めて知ったよ~。
あーおもしろかった。

映画「大コメ騒動」

平日の朝。出勤前に鑑賞。
今日で上映が終わってしまうというので、頑張って来ました。予想通り観客は少ないです。

シベリア出兵が現実となり、米不足が起こるだろうという不安(?)から、米が高騰して…ということか。なんか日本史の勉強になりましたよ。
富山の人には嬉しい映画なんだろうな♪

井上真央さん、良かったです。
真っ黒な顔に、ぎょろっと大きい目が印象的。

違和感があったのは、室井滋さんと夏木マリさん。
こういう片田舎の漁村で、女性がみんな働き者、という設定なら
高齢の女性はもっと腰が曲がっていると思う。
私の知っている昔のお年寄りは、直角くらいに背中が曲がっていたから、あんなにシャキーンと姿勢のいいお年寄りには現実感がない。
夏木マリさん、かっこいいけど背すじ伸びすぎだよ~。室井さんも若すぎだよ~と思いました。

あと井上真央の夫役の三浦貴大さーん。
お嫁さんたちが生きるか死ぬかの日々を送っているのに、仕送りも連絡も寄越さないって、だめでしょー。

結論。
この映画、まったく男は役に立たない、ということを言っていたわけですね。